PROJECT 03

【若手乗組員が語る遠洋漁業の魅力】

自分の操船で漁の結果が変わる。
シケでは乗組員の命を守る。
航海士の快感と責任。

日本人とインドネシア人という、国籍も年齢も異なる約25人が、
約1年半にもおよぶ航海に出るミナミマグロ漁。
家族と離れ、何もかもが制限された海上での生活や漁は決して生易しくはない。
しかし、その分得られる喜びも大きいという。
遠洋漁業に従事する臼福本店の若手乗組員に、漁の現場や魅力などを聞いた。

マグロ延縄漁は、原則的に1日1回の操業で、年間で約250〜270回。
年間の漁獲量は1隻あたり、およそ250〜300tだ。

「幹縄」と呼ばれる全長約100kmにも及ぶロープに、
エサのついた針につながるロープ「枝縄」を約3000本固定、船尾からロープを繰り出す。
この作業だけで7時間。その後、かかった魚を取り込みながら縄を上げる作業が13時間。
合計20時間の作業をひたすら繰り返す。

具体的には、午前6時にスタンバイし、一時間後の午前7時に海に網を投げ入れる投縄開始。
午後2時に投縄が終了したら、約2時間半後に揚げ縄を始める。

マグロを船上に上げたら、尾を切り落とし活け締めにして内蔵を取り出す。
計量を終えたら、−60℃の冷凍庫へ。身をきれいに保ち鮮度を落とさぬよう、
丁寧で素早い処理が必要だ。

投縄開始から13時間後の午後8時過ぎに食事。
漁の間は、10分程度で素早く食事を書き込み、それぞれの持ち場に戻る。
揚げ縄が終了するのは午前5時半。一日約1.5〜2tのマグロが捕れる。

下屋敷洋祐は、航海士として船長をサポートする立場から、
操船の仕方によって魚の捕れ具合が変わることを、身をもって感じている。

「やっぱり、揚げ縄の時が一番面白い。魚の動きを追う共に風を考え、
風が吹いてくる方向に向けたりしながらワッチ(操船)を考えます。
ワッチによってマグロの捕れ方が変わるから、魚が潜ったらどうするかな……、
そんなことを考えながら仕事するのがたまらなく楽しいね」

漁で印象に残ったエピソードを聞くと、下屋敷は「1日で6t釣った時」を揚げた。

「いやぁ、おもしろかったですよ。普通は1.5tくらいなのに、6tは超大漁! 
辛くて身体が動かなくなった。でも、動かなくてもやるしかないもんね。
6t捕れた日が、1日おきに2日間あったんです。さすがに『もうたくさんだな』と思ったね(笑)」

逆に、航海士としては「シケの海がおっかない」としきりに口にした。
「操船時に波がボンと入ってきて、海に人が放り込まれたら死んでしまう」。
シケで飛ばされ身体をぶつけ、ケガをした人もたくさんいる。シケの中での漁も珍しくない。
船にマグロを積んでいない、カラの状態の方が転覆の危険が高まるという。
マグロ漁は、常に危険と隣り合わせだ。

下屋敷の最終目標は、船全体を仕切りまとめる漁労長(船頭)。
いま乗っている第18昭福丸の前川船頭が目標だ。
「前川船頭は、誰から何を聞かれても答えられないということがない。
自分も、何もかも把握できる船頭にならなければ」。

船上では、漁の技術はもちろんのこと、コミュニケーションやチームワークも求められる。
天候や海、漁の状態、人間関係など、決して順風満帆な日々ばかりの1年半ではないかもしれない。
しかし彼も若く意欲のある漁師のひとり。
漁が終わる頃にはひとまわりもふたまわりも大きくなって気仙沼に戻ってくることだろう。

臼福本店では、
海で共に働く乗組員を求めています。

【応募資格】

「海が好きな方」「向上心とやる気がある方」
※ベテラン乗組員も随時募集しております。
ご興味のある方は以下のリンクボタンからフォームにてお問い合せください。
(フォームには氏名・年齢・住所・連絡先を必ず明記して下さい)
電話でのお問い合せは【0120-183-741】まで。受付は8:00-17:00